翼の折れたエンジェル

中村あゆみ
[ 高橋研 ]


最近、何かのCMで流れていて懐かしくなって適当に弾いてみたら、意外にも(?)楽しい曲であることが分かり嬉しくなってしまった。よく知っている曲で大昔に何気なく聴いていた曲をこうやって何十年も経ってから再び楽しめるというのも音楽の良いところだ。

この曲の魅力は、何といっても中村あゆみのハスキーな歌声だろう。歌詞と合わせて10代の不安定な雰囲気も出ていて、強がっているようでも倒れてしまいそうな儚さに胸がキュンとなりそう。
アレンジの「いかにも80年代」という感じがまた当時を思い出させるようで懐かしさに拍車をかける。

ただ、個人的に気に入ったのは歌詞や雰囲気ではなく曲というかコード進行だ。シンプルでもちょっとヒネりを入れるだけで素晴らしい曲になるお手本のようだ。

素晴らしいのは何といっても「もし俺がヒーローだったら」からの部分。コードでいうと、「A」 「BonA」 「G#7」 「C#m7」 「A」 「G#7」という部分。ミソは言うまでもなく「G#7」だ。
それまで何度も「G#m7」が出て来ているが、ここでイキナリ「G#7」となる。しかも強調するかのようにメロディも3rdである「C音」を使う。「もし俺がヒーローだったら」の「だ」の音だ。そういえば昔から少しシャープしていくように歌っていて、ブルーノートのような歌い方だなと思っていたものだ。Aメジャースケールからは完全に外れた音になるだけに印象的だ。

ところが何と、この後の繰り返しの時には、この部分を構わず「B音」で歌っているのだ。コードも「G#m7」に戻るのかと思ったが、よく聞き取れない。しかし続けて弾けばそれでは変なのは明らかで、コードは「G#7」のはずだ。一番重要な3rdの音を外して歌っていながら違和感ないのが不思議だ。
繰り返しも「D」の部分が好きだ。「A」 「BonA」 「G#7」 「C#m7」 「D」 「B7」となる。

と、ここまで書きながらまた聴いていると、「Sixteen 初めてのKiss」の部分のほんのオカズである、「シソ#ミレ#〜」が良い。最後の音がコードに合わせて変わるだけだが、上から下がっていくところが何とも青春だ(?)。
これと似ている部分で、「もし俺がヒーローだったら」の部分の繰り返しとの間の「G#7」の時に「ソ#ラ#ドレ#」と上がる部分がある。コードの経過音っぽいが実に効果的で感動的になる。

サビはオール「E」か。「あいつも」の部分のみ「AonE」といったところか。
間奏は「B」と「AonB」。onコードがよく出て来るが上手い使い方だ。
ついでに、出だし部のコードは「E」 「Gm#7」 「A・F#m7」 「B7・AonB・B7」と来て、繰り返しが「E」 「Gm#7」「A・B7」 「E」といった感じ。


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