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VOCAL
1990年のStevenは凄かった。上手いしパワフルだし、ショーマンとしても最高だし、まさに最強のロック・シンガーだと痛感した。本当にカッコ良かった。
Stevenが最高のロック・シンガーだとすれば、Daniel Bowesは最高のブルーズロック・シンガーだった。ブルーノートの音程のコントロールも最高で、力強さも繊細さも、楽しい雰囲気も悲しみも最高にエモーショナルで、そのたびに感情を操られているかのようだった。
Queenの一員として来日したPaul Rodgersも素晴らしかった。艶っぽい声質に暖かみのある低音、シャウトもカッコ良く、もう軽く30年選手だというのに往年の実力はまったく衰えていない。
この他、Mariah Carey、Eric Martin、Paul McCartney、David Coverdaleなども素晴らしい歌を聴かせてくれた。
GUITAR
Mr.Bigは何度も見ているが、中でも1996年時はズバ抜けていた。特にバッキングにPaul Gilbertのプロとしての安定感を感じたし、確実なテクニックに支えられたソロも余裕をもって表現されていた。マイナス点を指摘することが出来ない演奏だった。
このPaulに勝るとも劣らないのが1991年にGeorge Harrisonのバックでギターを弾いたEric Claptonだ。決して得意ジャンルではないはずのBeatlesの曲で、主張しすぎることなくプラスアルファを与える演奏ぶりに一流の凄さを見た。更に、数曲だけ演奏されたGeorge抜きのClaptonソングでのギターは絶品で『Wonderful
Tonight』のイントロなど涙が出そうになるほどだった。
Zakk Wylde率いるPride & Gloryは、まるでCreamのように各楽器のバトルが凄まじく、アドリブ重視のプレイが特筆ものだった。ほぼペンタトニック一発のみで多彩なフレーズをくり出していた。
BASS
残念ながら何という名前のプレイヤーか分からないのだが、1990年に来日したジャズの帝王・Miles Davisのバンドのベーシストが最高だった。まさに縁の下の力持ちらしい重厚なサウンドで、モロに私好みだった。アタック音はそれほど強くないのに、曲の一番下で太く支えているようで、休符の時の厚みのなさとの対比が最高だし、4拍裏の小さな経過音までもカッコ良かった。
1996年のBilly Sheehanは、バンドの状態の良さとも相まって最高の演奏を聴かせてくれた。彼はとてもテクニカルで弾きまくるタイプで、Miles
Bandのベーシストとは対局のタイプにも思えるが、抑えるところは抑えるツボを心得ているところが凄い。
Nathan Eastのプレイも最高だった。慣れないBeatlesの曲を演奏した分けで、苦戦は必至であっただろうに、最高のリズム感だった。最初に聴いた時は「Paul
McCartneyのフレーズや雰囲気と違う」と文句を言いたくなったものだが、後半や2度目に聴いた時にはオリジナルとは違う別の素晴らしさを堪能することが出来た。違うプレイヤーなのだから、違う雰囲気を楽しみのは当然のことだ。
DRUMS
Mike Portnoyは最強のテクニカル・ドラマーであり、同時にエンターテイナーの素質もある、カリスマ・ドラマーだ。複雑なリズムに変拍子、そして超テクニカルなドラムを楽々とこなし、更に曲に強力なグルーヴを与える。非のつけどころナシの完璧さだった。
AbeはBeatlesの曲に新しいリズム感とパワーをもたらした。曲の邪魔をしないRingoのシンプルなドラムが好きだが、手数の多い現代的でハードロック的アプローチのドラムでもBeatlesの曲は最高なのが証明された。手足がタコのようにバラバラに動く、隠れたスゴ腕ドラマーだった。
Pat Topeyも総合力の高い完成されたドラマーだ。何でもプレイすることが出来そうで、パワフルでもあり、安定感も最高だ。ドラムソロでの『Yesterday』も斬新でとても面白かった。
この他、AerosmithのJoeyやMotley CrueのTommy、ThunderのHurryも素晴らしかった。
KEYBOARD
Jordan Rudessのテクニックはズバ抜けていた。これまでも色々なスーパープレイヤーを見たが、Jordanが最高峰なのは疑いようがない。プレイがよく見えるように、スクリーンに大映しにされる演出も良かった。
Jordanに匹敵するキーボード奏者はもはやロック界にはいないかもしれない。Zsuzsa Elekesはクラシックのパイプオルガン奏者だ。ハモンドオルガンほど主張しないサウンドは、教会音楽にピッタリの荘厳さがあるが、実は目立たないだけでとてもテクニカルでもあった。
Paul "Wix" Wickensは数々のBeatlesナンバーを見事に再現して見せた点が特筆だ。中期以降の曲はライブで再現することを考慮していない複雑な音作りの曲が多いが、キーボードを操りストリングスやハープ、SEを再現した。
Others
ロック系バンドの多い私にとって、上記以外の楽器に出会うことはあまりない。数少ない「その他」の中でも飛び抜けて凄かったのは以下の2人だ。
Miles Davisのトランペットは、その存在感だけで十二分に凄すぎる。演奏ぶりはメロディアスなものから軽やかなものまで多彩だったが、アンサンブルの中で一際輝きを放っているのに驚いた。
Ray Cooperのパーカッションは、ドラム部門に入れても良いかもしれないが、「パーカッションはドラムとは違う」ということを知らしめたような演奏だったため別にした。本当にリズミックで楽しそうで、それまでパーカッションなど、おまけの付け足し的存在だと考えていたものを大転換することになったほどだ。
Band
飛び抜けて凄いプレイヤーがいるわけでもないが、バンドと一体となると、その楽曲と合わせて信じられないほどのパワーを出すという場合がある。それがこのバンド部門だ。
これを感じたのは1990年のAerosmithとMotley Crue、そして2001年のAC/DCだ。どのバンドとも似たタイプだ。曲が良いのは言うまでもないが、フロントマン以外にもスターがいて、曲はジックリ・しっとり聞かせるタイプではなく、ロックのグルーヴを全面に出して行け行けのノリで迫るのが共通している。観客もろとも演奏に一体化させてしまう凄みがあり、これこそがロックの醍醐味ではないかと思う。
この3つ以外では、Paul McCartneyやRolling Stones、Miles Davis、Thunder、91年のOzzy
Osbourne、Queenなども素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
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