隠れたアコースティックの巨匠
彼は作曲や歌ばかりでなく楽器においても実に幅広い才能を見せる。言うまでもなく、ギターの腕も超一流である。
「Yesterday」やジャズ調の「Michell」に代表されるようなアコースティックサイドの彼のプレイは、ベーシストらしく、ベースラインが強調されているものが多い。それも単にルート音を強調するのではなく、ギタープレイでもベースラインらしいベースラインを弾いている。
フォーク調の曲では「Mother Nature's Son」が素晴らしい。プレイの難易度は高くないが、よく聴くと、歌いながらヴォーカルラインとハーモニーになっていたりする。「I
Will」のスパニッシュ・ギターも彼のよるものだろうか。早弾きプレイが素晴らしい。
クラシック調も得意で、「Blackbird」ではベースラインとメロディを同時に弾いている。しかもベースラインは半音階を多様しスムースな流れのアレンジ。これを歌いながプレイするのである。
また、シンプルなコード弾きのみでありながらナゼかカッコいい「Two of Us」「Teddy Boy」は誰でも弾けるので入門編にはピッタリ。この他、「Everinight」「Bluebird」も素晴らしい。
エレクトリックサイドでは、「And Your Bird Can Sing」のツイン・ギターを紹介しておきたい。歪んだ音でのハーモニーが印象的だ。地味ながらセンスが光るのは「You
Never Give Me Your Money」。計算されきったギタープレイで、コーラスの裏での低音フレーズはベーシストの顔が覗いているようだが、単調になりがちなリフレインに味をつけている。この曲のイントロやエンディングでのプレイも文句のつけようがない。「Back
In The U.S.S.R.」のスピーディでノリの良いリードギターもPaulのプレイだ。同様のプレイでは、「The End」のソロの掛け合いもある。2小節ずつの短い掛け合いで、2番手が彼だ。伸びやかなチョーキングなどは、リードギタリストのGeorgeより正確だ。
|