狂気のドライヴ感の裏にはかなき美しさを隠す詩人
ヴォーカリスト、コンポーザー、アーティストとしていずれも高い評価を受けている彼だが、プレイヤーとしての彼の評価は意外と高くない。Beatlesのボーカリスト、そしてリズム・ギタリストとして知られているせいで、ギターは二の次の印象があるせいだろうか。
彼のギター・プレイはリズム、リードともに感性のプレイと言え、簡単には真似の出来ない特長的で印象的ものだ。リズムプレイから見ていくと、まず「All
My Loving」での彼の軽快な3連カッティングを正確に弾き倒すことは単なるコード弾きと言えど、あれだけの早さで延々と続くのは非常に難しい。「All
My Loving」が物理的スピードが辛いのに対し、「I'm Happy Just To Dance With You」ではとても印象的なリズムプレイが聴け、これも必聴だ。彼の素晴らしいリズム感が堪能出来る。Johnのトレードマークであったリッケンバッカーならではの音である。
リードプレイにも感性のプレイは表れていて「You Can't Do That」のリードプレイはリズムギターの延長のようなソロで面白い。「The
End」では2小節ずつGeorge、Paul、Johnの掛け合いソロが聴けるが、Johnのプレイは個性的だ。やはりリズムプレイの延長にある感じだが、強引なドライヴ感が他の二人より凄く必聴。
ドライヴ感という意味では「Paperback Writer」でのリフプレイも注目すべきだろう。コード弾きのような弾き方で気持ちのいいリフを弾いている。「I
Feel Fine」のリフも似たタイプ。こちらは軽快な感覚が素晴らしい。コード弾きの延長のようなアプローチでここまでドライヴ感を出すのは至難の技だ。
彼の狂気のブルーズとでも言うべき「I Want You」もヴォーカルとのユニゾンフレーズがカッコいい。アドリヴを交えながら弾けたら最高にカッコいいだろう。同じタイプの曲としてソロになってからの「I
Found Out」も挙げておきたい。1弦開放音を常に残し7thの響きを強調しているのが特徴的。
もう一つJohnのプレイで特徴的なのはフォーク調の曲での3フィンガープレイだ。「Jullia」や「Dear Prudence」でのプレイが象徴的でとてももの悲しく美しい。AやAmのキーのものが多く、美しいコード進行の曲が多い。「Jullia」のブリッジ部、ギターのトップ音の下降ラインなどは恐いくらいに美しい。
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