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昔、旅人が宿を出発しようとわらじを整えている時、宿の主人が来て言いました。
「お客様、あの山を登っていくのですか?
でしたらお気をつけなさいませ。
あの山には大きなうわばみが出ますよ」
と、言いました。
旅人は、
「なあに、平気平気。
うわばみが出たらおどかしてやりますよ」
と、内心おびえながら強がりを言いました。
宿を出発した旅人は、やがて山頂近くに到着しました。
そしてあたりを見回しながら、小さな木の葉の音にもビクビクしていました。
そのうちにどんどん怖くなってきてしまい、宿に引き返そう決めました。
と、振り返ったところ、そこには大きな口を開いて、今にも襲いかかってこようとしているうわばみがいました。
旅人は持ち物をみな捨てて一目散に逃げました。
ところが、うわばみも負けずに追ってきます。
うわばみは早いのです。
旅人は、これではいくら逃げてもダメだ、どうせ食べられるならお尻からと思いパッとお尻をまくったところ、うわばみは驚いて逃げました。
一体、どうしたというのでしょう?
うわばみの口は横にさけています。
お尻は・・・。
多分、うわばみは自分より大きくて縦に裂けている口を見て、反対に自分がのみこまれるのではないかと、思い逃げたのでしょう。
うわばみ【蠎蛇】
1、巨大なヘビの俗称。特に熱帯産のニシキヘビ類をさす。大蛇。おろち。
2、(大蛇は多量の物をのみ込むところから)大酒を飲む人をいう。大酒飲み。酒豪のこと。
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