鉄砲でウナギをとる


むかし昔、鉄砲で狩をするのがとても好きな男がいました。

「そろそろ青木山の堰に鴨の奴らが渡ってくるころだぞ。
 ひとつ猟に行ってみるか」

自慢の鉄砲をみがいて堰に向かいました。

「おっ、いたぞ、いたぞ」

2羽の鴨が仲良く水面に浮いていました。
男がじっと狙いをつけると、鴨はバタバタッと飛び立った。
慌ててドーンと一発撃ちました。
うまいぐあいに2羽が一度に水面に落ちました。

「しめたしめた。一発で2羽だぞ」

男はフンドシ一丁になって、堰へ飛び込みました。
抜き手を切って、堰のまん中まで泳いで行って2羽の鴨を捕まえると、岸まで戻りました。

何だかフンドシの中がもぞもぞとして重くなっています。
フンドシをはずしてみるとまるまると太ったフナやドジョウが沢山入っていました。

「えへへへ。こりゃ、まるもうけだ」

と、大喜びして道を行くと、いつもいばりちらしておる小役人が向こうからやって来ました。
許可をもらってない猟は役人に見つかると面倒くさいので、あわてて鉄砲を小川にかくしました。

「おはようごぜえます。えへへへ」

と、道ばたで頭を下げて、挨拶しました。
小役人は、胸をはって、

「おう、おはよう。えへん」

と、せき払いして、通りすぎました。
男はほっとため息をつくと、そろっと鉄砲を小川から引上げました。

「こりゃあ、大事な鉄砲を水につけてしまったわい」

すると今度は手に持った鉄砲が少し重くなっていたので筒を下に向けて水を切ろうとしたら何と・・・。
筒の中からにょろりと大きなウナギが出て来ました。

「ありゃりゃりゃりゃ、これはもうけたもうけた、えへへへへ、えへへへへ」

男は小踊りしながら家へ戻ると、その晩は近所じゅうを呼ばって大いにごちそうをしたそうです。


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