天狗の羽


 昔、あるところに浜へ来てはイタズラばかりしている、困り者の天狗がいました。
ある日、漁師が海で投網をしていると、大漁の手ごたえがありました。
ところが漁師が喜んで網を引き上げてみると、魚ではなく木の葉ばかりかかかっています。
不思議に思っていると、そばで天狗が笑っています。
力自慢の漁師はすっかり怒り、「お前のしわざだな!相撲で勝負だ!」と、天狗に挑戦しました。
 漁師と天狗の力は同じくらいで互角の勝負です。
でも結局天狗が負けてしまいました。
漁師は天狗の自慢の鼻を折り、大切な背中の羽ももぎ取ってしまいました。
「もうイタズラするんじゃないぞ!」と漁師に叱られた天狗は、「こりゃたまらん」と山へ逃げ帰り、今までのイタズラを反省しました。
そして、それっきり浜へ来なくなりました。

 天狗の羽根は今も天津の神明様にあるそうです。


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