| 安房郡丸山町にある石堂寺という古いお寺でのお話しです。 昔々、そのお寺の仁王さまが門の前に立って広い野原を見渡していました。 そこへ一羽のカリが飛んで来ました。 そして、「仁王さま大変です。小鳥たちの親が病気になってしまいました」と言いました。 仁王さまは、「それは大変だ」と驚き、小鳥たちにすぐに知らせました。 やぶの中にいたスズメの子供たちは「大変だ」と慌てて親の所へ飛んで帰りました。 そして死んでしまいそうな親に会うことが出来ました。 ところがツバメは自分の格好や身なりを気にして化粧に時間をかけたため、親の最期に間に合いませんでした。 後でこのことを知った仁王さまは、スズメの親孝行を褒めて、それからはスズメに人間と同じお米を食べることを許しました。 しかし、遅れてしまったツバメたちにはお米を食べることを許さず、稲が実る頃になると遠い国へ行くように命令しました。 また、親の死んだことも知らずに遊んでいたコウモリは、仁王さまに厳しく叱られ、とうとう鳥の仲間からものけ者にされてしまいました。 そしてケモノたちからも親不孝者はダメだと仲間にされず、昼は暗い洞窟に隠れ、夜になったらこっそり外へ出るようになりました。 こうしてコウモリは初めて今までのおこないが悪かったことに気付きました。 |