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むかし、昔の話し。
南敷の五所神社に弁天様が住んでいました。
弁天様といえば七福神の中でたった一人の女神ですから、下総はもとより上総や常陸の国々の男の神々が、弁天様を訪ねては、「嫁になってくだされ」と申し込んでいました。
ですが、弁天様は誰にもなかなか良い返事をしませんでした。
ところで、馬乗里の道祖神様は片目片足のぶ男ですが、何しろ純情で、いくら弁天様に断わられても、
「嫁になってくだされ」
と、言い寄りました。
これには弁天様も困ってしまい、こういいました。
「あなた様、本当にそういうお気持ちならば、3年と3月、毎晩お訪ねくだされ」
こう言えば、夜道は危ないし、体も不自由だから、きっと諦めるに違いないと考えたのでした。
ところが道祖神様は雨が降ろうが、風が吹こうが、一生懸命弁天様に通い続けました。
とうとう3年余りが経ちました。
もともとその気のない弁天様は困ってしまい村人に相談しました。
村人たちは智恵を寄せ合い、池のまん中に弁天様を住まわせることにしました。
そして池には蓮を植え、道祖神様の嫌いな白蛇を放しました。
さすがの道祖神様も弁天様の所へ通うことが出来なくなってしまい、
「それでは道端や曲り角で弁天様の通るのを待っていよう」
と考えました。
それで道祖神様は今でも村の出入口や三又にじっと立っておられるのだそうです。
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