高校野球表紙管理人の部屋

季節の風景

 〜 春 〜
 季節的には春が一番好きです。花粉が辛いですが、長く寒い冬が終わり、いよいよという雰囲気があって、何でもなくてもワクワクしてしまいます。
 「春はセンバツから」と言うように、高校野球も春を感じさせてくれます。選抜出場校の発表があって、プロ野球がキャンプインするとだいぶ球春という雰囲気になりますが、まだ春には遠いなという感じ。しかしセンバツの開会式を見ると「いよいよだ」と思います。開会式の頃はまだかなり寒いですが、閉会式の頃になるとサクラも咲いていてポカポカ陽気の日が多くなっています。

 しかし私の好きな「春」というのはセンバツのことではありません。その後の春季大会と関東大会のことです。
 春の大会は3季ある大会のうち唯一直接甲子園にはつながっていないので、オープン戦のような側面があります。夏のような華やかな応援団もいないしテレビ中継もないですが、球場には意外に客が多いです。やっと来た球春に夏まで待ち切れない熱心なファンが大勢いるわけです。完全に冬が終わり、広々とした球場の空気を吸っているだけで良い気分になります。
 夏の大会はもう後がありませんのでドラマチックでもあり、悲愴感が漂っているチームもありますが、春はどのチームも希望に燃えています。勝って自信をつけ、負けて勉強する。勝敗にこだわるというよりも正面からぶつかり合う腕試し大会でもあります。秋の大会から半年近く経っており、新しい戦力も楽しみです。
 県大会の後の関東大会もまた良い。普段は行かない他県の球場へ行くと新鮮な楽しみがあります。例えば茨城だと風が冷たくて北に位置しているのが体感出来ますし、山が見える球場も千葉とは雰囲気が違います。グラウンド整備も千葉とは違っていたり、他県の代表校の父兄や観戦者の話しも楽しい。
 出場校はセンバツを沸せたチームあり、各県の常連校あり、注目の選手がいて、また馴染みの薄い新鋭校もいます。やはりまだ後があるためどのチームも希望に燃えています。
 春は本当に高校野球が好きな人のためにある季節だと思います。

 〜 夏 〜
 夏は高校野球の代名詞的な季節。スコアボードの先の青い空と白い入道雲がピッタリです。スタンドでは汗をたらしながらの応援と迫力あるブラスバンドの音。大差がついてコールド負け寸前でも必死で走る選手たち。
 何もかもがドラマチックで胸を打ちます。そこには野球そのものを超越した感動があります。
 優勝候補のチームが自信満々で登場し、予想通りの力を見せつける。ところが翌日には負けて涙にくれる。千葉大会の場合、決勝戦は8回戦に当たります。1回戦、2回戦、3回戦というとまだまだ大会は序盤戦と思いますが、実は3回戦終了で残り32校になっています。すでに140〜150校が敗退していることになります。最後には1校を除いてすべて負けてしまいます。どんなに凄いチームでも、注目選手がいるチームでも、常連校でも、開会式からわずか2週間以内のうちに「最後の夏」を終えるのです。
 8月の甲子園は選ばれた者だけが足を踏み入れる勇者の聖地。どのチームも地方大会のチャンピオン。自信に満ち溢れて登場する。千葉大会の愛好者には少し遠い場所で、これから夏本番というよりは他人事のよう。ギラギラした太陽も閉会式の頃には秋の空に変わり、せつない気分になります。
 7月の地方大会開幕から、日本中の全チームがたった一つの負けで高校時代の野球生活が終わる。全国レベルの優勝候補チームも、初戦で大敗する弱小チームもみんな平等にたった1つだけの黒星をもらい去って行く。閉会式の最後の優勝・準優勝校による場内一周で暑かった夏の思い出がフラッシュバックしつつ、夏の終わりを実感します。

 〜 秋 〜
 秋はあまり高校野球のシーズンという気がしません。日に日に寒くなっていくせいかワクワクする感覚がないからかもしれません。
 そもそも秋季大会は夏の大会の熱気が残る8月に始まります。まだギラギラした太陽が残り、秋という感じはありません。9月だってまだ充分暑い。
 大会は週末だけの開催で、ジラされる感じがします。3年生が引退し、どのような戦力があるのかもよく分からず、他の季節と比べても圧倒的に情報量が少ない。夏の大会で活躍した1,2年生のことしか分かりません。夏の大会を1,2年生主体で活躍したチームに期待が集まるが、強豪校になると夏はスタンドで応援していた選手でもかなりの選手がいるので、秋も未知の選手ばかりながらやはり強い。
 情報が少なく、予想も期待も大外れ、それが秋です。夏にはスタンドにも沢山いた女の子とか親子連れも秋にはおらず閑散としています。客は春より少ないと思います。
 ところが秋は翌春の甲子園がかかっています。県大会を勝ち抜いた後の関東大会は春とはまったく違う真剣勝負の舞台となります。まだ新チームになって日が浅く試合経験も少ないのに、もう甲子園をかけて勝敗にこだわる試合となるのです。甲子園をかけて他県勢と戦うとなると、郷土の誇りとプライドもかかります。
 ファン心理として、夏の甲子園のように1代表の場合は「運が悪かっただけ」ということもありますが、秋の関東大会は2代表なので両方とも完敗するととてもみじめな気分になります。しかも、抽選のイタズラで2校とも同じ県の代表校と戦う場合もあります。千葉1位校は千葉最強のプライドを持ってのぞみ、相手は他県の2位校以下となります。しかしどの県も沢山の有力校があるから、2位校と言っても弱いチームのはずはなく、それどころか2位校が甲子園常連校だったりするのも珍しくはありません。
 また、隣県ならともかく、群馬とか栃木、山梨あたりまで連日通うのはほとんど無理です。甲子園がかかっているというのに、テレビ中継もインターネット中継もないので、掲示板で球場から速報を入れてくれる人を頼るしかありません。
 関東大会が終わると、ミニ大会がある場合もありますが、明治神宮大会を最後にシーズンオフに入ります。寒くて長い冬の到来です・・・。